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芸術家の審美眼

美しいものは何故人をこんなにも惹きつけるのでしょう。美しい夕焼け、美しい植物、美しい街並み、美しい料理、美しい椅子、美しい器、美しい服、美しい人、などなど。。

自然と求めてしまう。そして目で追ってしまう。。人のDNAにはそうしたものを追いかける『何か』が予め書き込まれているとしか思えません。食欲、睡眠欲、性欲など、私たちが生きていくために、人が生き延びていくために必要な欲求とは異なるもの、ただ生きるだけであれば全く必要のないもの、それが『少しでも豊かに暮したい』という特別な欲求ではないでしょうか。

この欲が源となって美しいものはいつの時代でも人を惹きつけてきましたし、美しいものはどんな時代でもどんな国でも、きっとこれからも愛されていく事でしょう。

私は、少し大袈裟な解釈をしてみると、人が豊かに暮らしていくために必要不可欠なもの、それこそ美しいものであると、言えなくもないと思っています。

自分たちなりにそれぞれの環境で少しでも豊かに暮らしていくために『美しいものを美しいと感じる感性』は、これは正しい事だ、これは悪い事だ、という二元論的な正義感や道徳感よりもよっぽど私たち自身を支えてくれるのではないかと考えるのです。

前置きが長くなりすぎました。世界には審美眼を極限まで極めた者がいました。彼らは一握りの芸術家です。

もの -それは物質だけではなく、哲学、思想、人の感動、大きな問い、その他様々な精神的なものを含む- を生み出す天性の資質があり、苦悩を重ねて生き、また貫くような眼差しでものをみて、美しいものを追ってきた者でもあります。

芸術家たちが蒐集したコレクションを収めた写真集、芸術家の死後にオークションにかけられた遺品カタログ、モダンデザイン空間が選定された写真集、芸術家のアトリエなど様々なジャンルのコレクション集などラインナップさせて頂きました。

偉大な芸術家の視座、審美眼に触れる事で、現代でも彼らの姿勢や感性から学べる事がたくさんあると思いこのトピックを作りました。是非1冊ずつご堪能下さい。

2020.10.02 志摩