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カール・オーボックの世界
19世紀にオーストリアで創設されたCarl Aubock(工房)。
カール・オーボック2世がこの工房の発展に大きな貢献を果たしました。オーボック2世はオーストリアはウィーンの金属工房を営む一家に生まれました。
両親から金属工芸を学びウィーンの芸術学校、そしてドイツの伝説的な芸術学校バウハウスで絵画を学びました。バウハウス初期の講師でもあったヨハネス・イッテンに美術を学び、さらにバウハウスの中核にいたウォルター・グロピウス、パウル・クレー、オスカー・シュレンマーからも多大な影響を受けました。
前衛的な芸術、アールデコの潮流、機能主義的プロダクト、単体では生まれえないどこにもない世界、これらを融合させる道を切り開いていくため1926年には親の工房を継ぐ事を決意します。
ドイツで色濃かったスタイルからの反動もあったのでしょうか、オーボック2世はフリーハンド特有の有機的な線のある造形物と日用品を融合させた作品を次々と生み出してゆきます。
音楽的な曲線も感じる彫刻と生活用品をここまで美しく融合させられる類まれな職人そして芸術家一族とその工房の世界観とはいかなるものでしょうか。
またこの工房の素晴らしいのは、オーボック家の人間がこの工房を脈々と受け継いでおり、今なお4世代に渡って受け継がれ、先代からの技術や芸術思想が受け継がれている点にもあります。
世代、国を超えて美しいと評価されるものこそ、モダニズムの真髄ではないでしょうか。オーストリアモダニズムの礎を築いた最高の芸術工房の世界に触れてみてください。