Carl Auböck, 1900-1957 : Maler und Designer(洋書/ドイツ語)
発刊:1997年
仕様:ハードカバー
内容:本書はウィーン市歴史博物館でカール・オーボック2世の死後50年を記念して1997年に開催された「CarlAuböck 1900-1957」展の大変貴重な図録です。
本展は市場に出回ることのない、これまで家族が所有していた未発表の水彩画と油絵200点と、オーボックの工房作品約200点を紹介した内容です。カール・オーボック2世の画家としての作品に焦点が当てられている点が非常に珍しい切り口となっています。
絵画作品は美術史の観点から編集されており、以下の4つの大きなグループを時系列で紹介されています。
ワイマールのバウハウスでの前衛との最初の接触(1919-1921)
初期の抽象段階(1921-1925)
表象風景画(1925-1943)
抽象的な後期作品(1940年代後半-1957年)
最初のグループは独立してパウルクレーの幾何学的な形式言語をさらに発展させ、この作品の際立った重要性はとりわけ2つの抽象的な段階で現れており、オーストリアの美術史においても重要な位置づけとされています。
オーボックがワイマールのバウハウスを経由してウィーンに戻った頃の初期作品には波乱に富んだ線が描かれています。人々の注目を集め始めた頃のアールデコスタイルのオブジェの制作に加えて、オーストリアではほとんど見分けがつかない方法で、客観的なユニバーサルスタイルと昨日主義的なスタイルのオブジェも生まれました。
そして、それまでのスタイルに反発するように1950年代以降に確されるオーボック2世の生物形態造形作品の作成と芽生えが1940年代初頭にさかのぼる文脈など、時系列での紹介方法も秀逸です。
本展は、オーストリアの美術史の中で様々な観点からオーボックに対する幅広い考察がされています。
オーストリアの絵画の歴史を再考し、デザインの歴史を深め、オーボックに対する理解がより豊かになることを手助けしてくれる素晴らしい1冊です。オーストリアモダニズムの礎を築いた最高の芸術工房の中でも最高の評価を得ているカール・オーボック2世の世界に触れてみてください。
全189ページ/ボリューム中
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