情報美学入門 基礎と応用 : Max Bense(和書/日本語)

発刊:1997年

仕様:ハードカバー

内容:1953年から1958年までドイツの伝説的なウルム造形大学に務め「芸術と科学の統合」を目指した文化哲学者Max Bense(マックス・ベンゼ/1910ー1990)の著書「Einführung in die informationstheoretische Ästhetik:Grundlegung und Anwendung in der Texttheorie (1969年発刊)」の貴重な日本語訳版となります。

マックス・ベンゼはウルム造形大学でインフォメーション学科設立に貢献していました。当時色濃かった感覚的、精神的な美学研究ではなく、数学・論理学・記号論・情報理論などを導入した客観的で数量的な現代美学を牽引しました。

ベンゼの功績についての一部—————————————————————————

芸術と言語の数学

すでに彼の最初の出版物「RaumundIch」(宇宙と自我/1934年発刊)でベンゼは理論哲学を数学、記号論、美学と組み合わせる試みを行いました。これは彼の主題の強調のままでした。彼は初めて、言語の構成要素(単語、音節、音素)を統計的な言語レパートリーとして定義し、意味に基づく文学に反対する合理的な美学を表現しました。

ベンスは、ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツの普遍学に続いて、数学に適用したスタイルの概念を研究し、普遍的なマークアップ言語を設計しました。「DieMathematikin der Kunst」(芸術の中にある数学/1949年発刊)は、美術史における形式の数学的原理を調査するための彼の出発点でした。

このことからベンスは文学芸術の作品、特にメトリクスとリズムの数学的精神を見る視点を提唱しました。ベンスの思考には共通の起源があり、数学的意識と言語的意識の相関関係を前提としていました。彼は原子構造と同等になる基本要素(文字)と規則または演算子を使用することにより、美しいフォルムに意味を与え、情報を伝え、スタイル的に形成された言語を可能にします。

彼は美的情報と意味情報は一般的に分離されており、使用されるまで定義されないと考えました。これは、ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインの作品を美学の分野にドイツで初めて統合したものです。自然科学、芸術、哲学を統合させるデザイン理論などの研究の一旦は前時代のキュビズムやダダイズムへの理解にも大きな貢献を果たしました。

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いやぁこれを読んでもこの哲学者の凄さというのは全くわかりませんね。学問的で、専門性が高過ぎますものね。

数学、科学に一定の理解がないと読めないタイトルとなります。(偉そうに言うことではないのですが)私はてんでわかりませんでしたので、中学〜高校の数学を勉強し直すところから再出発することにしました。(涙)

再出発したところでどこまで彼の哲学ー美学を読むことができるのか、検討もつきませんが、美学、美しいものを追求しようとアプローチする際、感覚だけで追いかけるのでは遅かれ早かれ壁にぶち当たるのであれば、本書をきっかけにまた勉強をし直したいなと、そう思わせてくれた1冊です。

美学という学問についてご興味のある方にお薦めのタイトルです。

全185ページ/ボリューム中

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