Robert Coutelas 1930-1985 2(和書/日本語)

発刊:2016年

仕様:ハードカバー

内容:1930年パリ生まれのロベール・クートラス。クートラスは散逸させたくない自らの作品を「リザーブ」と呼んだそう。本書は55年間のクートラスの現存するリザーブ作品を全て収録した2冊構成の2冊目。2冊目には、「カルト:僕の夜」、「テラコッタ」、「デッサン、ドローイング、書き文字、影絵」の作品群が掲載されています。

クートラスは、自分の心の闇の中に見出した作品を「生命」そのものであると、考えていたようです。家族同然に扱っていたということです。

別のお話になりますが、日本民藝館で開催されていた「生誕100年 柚木沙弥郎展」での柚木さんの講演では、自分の家庭に入ってきたものは、それが例え「物」だとしても家族同然のように思っているというお話をされていました。柚木さんは1922年のお生まれ、クートラスは1930年のお生まれでほぼ同時代のお二人なのですが、生まれた国が違ったとしても、物や自分の作品に対する愛情の込め方には共通性を見出すことができます。クートラスは貧困に陥り、画材を買うお金さえなく、ボール紙を拾って作品を生み出してきたそうです。物が貴重な時代を過ごしてきたからこそ、物が自分にとってどういう部分を担ってくれているのか、現代の私たちよりも良く理解していたのではないかと思います。

クートラスの絵には、どこか影がありながらも、ユーモアや遊び心があるように思われます。自分の心の根を表現しつつ、自らを保ち続けるための絵だったのかもしれないなと、勝手な解釈をしてしまう愛おしい絵の数々です。

ページ数 285ページ / ボリューム大

往復発送方法:ヤマト運輸

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