EIN MEISTER MODERNER TEXTILKUNST : Antonín Kybal(洋書/英語)

発刊:1960年

仕様:ハードカバー(カバー欠損、クロス色褪せ、汚れあり。内部は製本解れ箇所あり。)

内容:チェコスロバキア(現チェコ共和国およびスロバキア共和国)出身のテキスタイルアーティストAntonín Kybal (アントニン・キバル : 1901–1971)の作品集です。

欧州各国と同様に1920年代と1930年代からチェコスロバキアでも独自のモダニズムが美術や応用美術の多くの分野に浸透しており、芸術、デザイン、建築の分野において1つの黄金時代がありました。

絵画の分野におけるシュルレアリスムから構成主義建築の進歩的な傾向まで、他国に遅れを取るまいとしてチェコスロバキア出身のアーティストたちが芸術的、文化的なコミュニティを築いていました。

Antonín Kybalは1920年代に画家としてのキャリアを開始しましたが、その後間もなくして脱領域を志し、1928年から工房を設立してテキスタイルデザインの領域での芸術活動とビジネスを始めました。

手工芸、工業、アートの統合を目指した彼の技術的、そして実験的作品は当時のモダニズムの文脈にいた建築家たちの作品とも親和性が高かった点も彼の工房のプロダクトの大きな特徴の1つでした。

Kybalの工房では手工芸による少量生産品の他、大量生産を行う工業的なテキスタイルプロダクトもあり、それらは当時のキュビズムや機能主義的の規則性ある絵画モチーフやカラーフィールドで構成されていました。

少量生産と大量生産のハイブリットスタイルで工房が運営されていた点に加え、この工房ではグラフィックデザイナー兼プロダクトデザイナーのLadislav Sutnarによるディレクションも加わっていたり、JosefLudvíkGočár(オーストリアの建築家ヨセフ・ゴチャール)の作品とのコラボレーションを行っていたりと、ジャンルを横断した複数の芸術家による共同表現が生んでいたことも当時としては非常に前衛的なものでした。

Antonín Kybalのテキスタイルデザインは日本では全く知られていませんが、彼は欧州において戦後の応用美術運動、またテキスタイルデザインの第一人者として評価されています。

芸術とデザイン、そして工芸と工業生産との関係についての実験と研究を続けた彼はその経験と知識はプラハの応用芸術学校(UMPRUM:現在は芸術建築工芸アカデミー)で生徒に教える際にも活かされることになります。

1950年代にはプラハの旧市庁舎、ワルシャワとベルリンのチェコスロバキア文化センター、モスクワのチェコスロバキア大使館、新しいプラハのテキスタイルなど、各国を代表する建築のために、多くの優れたテキスタイルデザイン、タペストリーを制作し、1960年代以降は抽象的で表現力豊かなデザインで多くのタプストリーを残し、彼のスタイルが築かれていきました。

本書はそんなKybalの画家としての作品からテキスタイルアーティストとしての作品まで網羅された大変貴重な1冊です。

日本ではほとんど紹介されることのないKybalの深い内面世界、芸術的表現をお楽しみください。

全114ページ/ボリューム小

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