その他のトピックス
- with/〜とともに
- あるファッションデザイナーのインスピレーション源
- お家で美術館
- アレキサンダー ・カルダーのサーカス
- インテリア資料室
- エンツォ・マーリの世界
- カール・オーボックの世界
- ディーター・ラムスの世界
- バウハウスの人たちとその周辺
- ピエール・ジャンヌレとチャンディガール
- フォークアート の世界
- フレンチミッドセンチュリーの世界
- フレンチミッドセンチュリー家具の世界
- ブラジリアンモダンデザインの世界
- マックス・ビルとウルム造形大学
- マックス・ビルのヴィジョン
- マルタン・マルジェラの見解
- モダニストのオークションカタログ
- モダニストの伝記
- モンパルナスの交差点
- 世界に誇る日本人の美
- 写真家が捉えた建築写真
- 写真家が捉えた建築風景
- 初期コムデギャルソンの世界
- 北欧モダンデザインの水脈
- 器と芸術を一緒に楽しむ暮らし
- 教育的芸術家の教え
- 本で感じる創造性の共鳴と波紋
- 照明デザインの世界
- 童心の継続と好奇心の抽象化
- 線が語るモダニズム
- 織物と芸術の融合領域
- 美しき玩具の世界
- 脱ファッションのススメ
- 色彩とモダニズム
- 芸術
- 芸術家のアトリエ
- 芸術家の審美眼
- 芸術家の脱領域
- 透明壁とその融解(自分と他者、外と内、過去と未来、自然と人工…)
脱ファッションのススメ
ファッションとは何か?という問いを立てて、この定義を試みようとしても一朝一夕で答えが出る訳ではありません。
ただ私なりに現代、社会、街を見渡して感じることは、ファッションというものは一過性のものである。ということが言えるのではないかということです。
逆説的には、その一過性のものを楽しむ行為とも言えるかもしれません。
一方で、現代では早い速度で過ぎ去ってしまうものには興味を持たない人たちも増えてきたように思います。
では彼らが追いかけているものとは何なのか。
それは「自分の外側」にある目新しいものではなく、「自分の内側にある自分自身のスタイル」なるものではないでしょうか。
他人と比べることもなく、見栄をはることもなく、過剰に自慢することもなく、社会に溢れているSNSの情報に踊らされることなく自分らしく生きている人は、自然と輝いているものです。
このトピックでは、他人の目など一切気にすることの無い領域にまで自分のスタイルを築きあげた芸術家たちのポートレートを収めた写真集を中心に9冊をラインナップさせて頂きました。
自分のスタイルを築いていくための方法として、まずは目指すべき偉大なたった一人を探すことから始めるというのもの一つの手ではないでしょうか。
結果的に少しずつ、ゆっくりと自分のスタイルが築かれていけば、いつか他人の目も過剰に気にならなくなり、もっと自分らしく生けてゆけるはずです。
オキーフ、コルビジェ、グールド、三島など最高の芸術家たちのスタイルや、無銘ながらも自分のスタイルの築いた素晴らしい芸術家たちのスタイルに触れてみてください。
現代社会では、本当に心の底から他人と比べずに生きていくことはとても難しく、私も自分に自信がなくなることがあります。きっと人間が持ち易い、どうしようもない性の一つなのでしょう。
そんな時、他人の目を一切気にせずに生きた彼らのカッコ良いポートレートを見返しては「これでいい」と肩の力を抜いています。
2020.10.11 志摩