LE CORBUSIER : LES MATERNELLES(洋書/フランス語)

発刊:1968年

仕様:ソフトカバー

内容:フランスはマルセイユにあるル・コルビュジエによる代表作マルセイユのUnité d'habitation de Marseille(ユニテ・ダビタシオン)。

ユニテ・ダビタシオンは8階建て、全337戸で、最大約1600人が暮らすことができる当時としても超巨大な集合住宅でした。7階、8階には店舗や郵便局、屋上には幼稚園、体育館、プール等など共用施設が設けられています。1961年以降には3ー4階部分の部屋を活用してホテルが開業しており、現在でも一般客が宿泊することができる名建築です。

本書は、そんなユニテ・ダビタシオンの屋上に作られた幼稚園にフォーカスした大変貴重な写真集です。

こちらの幼稚園は、建築物の施工期間とともに10年以上かけて開発されました。ル・コルビュジエが最初に図面を描いたのは1944年のことでしたが、その後何度も計画が変更され、1953年に最終的な計画が実行されました。

同時期にコルビジェは、フランスの教育者Celestin Freinet(セレスタン・フライネまたはセレスタン・フレネ/1896ー1966)が提唱した教育方針に注目しており、これを自分の提案する建築に応用しました。

フレイネが提案したのは子供たち自身が生み出す手紙、詩、絵を学校の中で活用することによって、事物を楽しみながら理解する能力の発達を目指す教育学でした。それは建築と共に発展していく教育システムでもあり、建築もまた子供たちのために作られたものでありました。

現代でも世界中から多くの建築愛好家が訪れ長く愛されて続けているユニテ・ダビタシオンが、彼らの実験的な試みが成功したことを証明しています。

88ページと小ボリュームながら「建築に何が可能か」「建築とは何か」という問いに無限の拡大解釈を与えてくれるような素晴らしい写真も多数掲載されています。

「食べものとは何か」「着るものとは何か」固定概念に縛られた私たち現代人にも心地よい示唆を与えてくれる1冊です。

全88ページ/ボリューム小

往復発送方法:レターパック、クリックポスト

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Celestin Freinet(セレスタン・フライネまたはセレスタン・フレネ/1896ー1966)

伝統的な教師の権威、理念を絶対的なものとする権威主義的な教育方法に異議を申し立て、学校教育に子供たちの手による校内新聞や学校間での通信などの印刷物を取り込み、自発的なグループ活動を通して子供たちの人間性を養うことを目的とした「積極方式」と呼ばれるスタイルを生み出し、教育界に多大な改革をもたらしました。

子供たちが自分たちの作文を文集として印刷、販売し、それから得られた資金でさらに自分たちの発案による新しい企画を推進していく。このようなシステムは「学校印刷所」と呼ばれ、子供たちの自主的な活動を取り入れた教育的なコンセプトの在り方において多くのオリジナリティを生み出しました。

以下はセレスタン・フレネによる教育学による説明ページ(wikipedia)、、面白そう。。

→ https://fr.wikipedia.org/wiki/P%C3%A9dagogie_Freinet

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