José Zanine Caldas（洋書／英語）

発刊：２０２０年

仕様：ハードカバー

内容：ブラジリアンミッドセンチュリー家具界で評価が進むジョゼ・ザニーネ・カルダスの作品集です。

ブラジルの建築家でデザイナーのジョゼ・ザニーネ・カルダス（１９１９ー２００１）は日本ではあまり知られていませんが、独学で建 築とデザインを学び、弱冠２０歳にして建築模型を製作するワークショップを開き、ルシオ・コスタやオスカー・ニーマイヤー といったコルビジェの影響を色濃く受けた近代建築の巨匠たちと仕事を共にしました。

正規の教育を受けていないという理由から、いくつかのプロジェクトの 断念を余儀なくされることもあったザニーネでしたが、１９８９年にパリの装飾博物館で展覧会が開催され、翌年にはフランスの 建築アカデミーからシルバーメダルを受賞。１９９１年に、ルシオ・コスタの擁護により、ブラジル建築士協会より名誉建築士の称号が与えられました。

１９６０年代当時の軍事政権下のブラジルでは深刻な森林破壊の事実に衝撃を受け、ザニーネは強い環境意識を持った作品を手が けるようになります。倒木から船や家具を彫り出して作る地元の職人にインスピレーションを受け、自らも自身の手で大きな 無垢材から家具を彫り出すという、よりベーシックなアプローチからなる作品作りを始めます。

主に、ペキーやカシューとい った地元で採れる木材を用い、使用する木材のもともとのヒビや割れ、曲線をうまく生かしたザニーネの作品は、オーガニッ クで彫刻的です。彼は、そうした自らの作品群を森林破壊に抗議する意味を込めて「訴える家具」と称しました。

このデザイナーの魅力の１つはただの木材を見事に美しく繊細な作品へと生まれ変わらせる独自の新美眼と選択眼を持っている点にあります。

現代人の自然への回帰が見られる時代の潮流の中で、本展ではこのデザイナーが提唱した素材の新しい捉え方は現代のクリエーターにも大きなインスピレーションを与えてくれるのではないでしょうか。

全３００ページ／ボリューム特大

往復発送方法：クロネコヤマト

※上記テキストは一部他社のイベント開催時、テキスト作りを担当させて頂いた際に作ったものを再利用しております。