アイリーン グレイ 建築家 デザイナー （和書／日本語）

発刊：１９９１年

仕様：ハードカバー

内容：アイルランド出身、フランスを拠点に活動したアイリーン・グレイ（１８７８−１９７６）。不運にも彼女は２つの大きな戦争の被害を受け土地を追われつつも自己表現の場は故郷ではなく、あくまでも愛するフランスでした。紛れもなく２０世紀最高峰のモダニストの１人であり、当時は室内装飾や家具のデザインが評価されていた彼女が全盛期から生涯を終えるまでずっと心に秘めていたのは建築家としての道でした。

当時の男性優位主義が強い不公平な社会にも、くだらない名誉欲にも彼女は一切の興味がなく、時代や彼女自身の孤高の性質が生む人間関係の軋轢、様々な不運に合いながらも彼女は建築への信念を曲げることはありませんでした。媚を売る事など一切してこなかったために権威から嫌われていたため一時期歴史から消されかけた彼女が今日その評価と名誉を回復しているのは、彼女と彼女の作品郡が紛れもなく「本物」であった証だと思います。

彼女の活動初期の師匠、仕事のパートナーが日本人だったことなど一般的にはあまり知られていない背景を含め、本書ではグレイの生い立ちから引退後の隠居生活まで長きに渡る歴史が語られています。およそ４００ページにおよぶボリュームでアイリーン・グレイの人間性に迫る素晴らしい１冊です。

全３９８ページ：ボリューム特大

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